4 長い名の子

 むかしあるところに、じんつぁとばんつぁ、いだっけど。欲しい欲しいど思った子どもが生まれ、男の子だし、何とかいい名前ないべかど、二人で考えだど。あまり短い名前は、長生きしないど悪いがら、長い名つけんべて、
「チョギチョ、チョギチョ、チョウヤイカイポ、タナツリズボクグリのマタジロウ」
 ど付けて、めんごがって育ででいだっけど。そしてだんだん大きくなって歩くようになって、遊んでるうちに、井戸さ落ちたじも。じさ、たまげて上げんべと思ったが、梯子ながったど。まず隣から降りて来てと、隣さ行って、
「おら家のチョギチョ、チョギチョ、チョウヤイカイポ、タナツリスボクグリのマタジロウ、井戸さ落ちたがら、梯子貸してくれ」
 といったが、隣のじさ、ちっとキンカであったもんで、「何だてー」というので、「おら家の、チョギチョ…」なんていってるうちに、死んでしまったけど。ほんだから、あまり長い名はつけるもんでないど。むかしとーぴん、さんすけびったり。


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