93 まま子いじめ

 むかし、あるどこに、おっかさんが子ども一人残して死んだどさ、後家おっかもらったら、そのおっかぁにも子どもができたら、自分の子ばり可愛がって、親父が稼ぎに行った後、いじめでばりいるもんであったどさ。
 ある日、薬屋さんが来たどさ。その薬屋は時々来て、小さい旗や紙てまりを呉れるので、子どもたちは待ってで薬屋が見えると、駈け出して、旗、紙てまりをもらって、追っかけ廻ったものだったどさ。
 その後家おっかぁの家さ行ったら、前のおっかぁの子ども出てこながったので、その子の名前を呼んだら、どこか座敷の方で、「ハイ、ウ…」というような声がするので、日頃から、ここの家のことを知ってたので、思わず入りこみ、座敷に行って見て、何だか長持の中のようで、あけて見てびっくりぎょうてんしたどさ。
 娘は沢山の蛇と一緒にいれられて、今にも死にそうになってだどさ。薬屋出してやり、噛まれたところに薬をつけて、手当してやってるところに、おっかぁがどこからか現われる。叔父さんは仕事から帰って来るして、大さわぎとなったどさ。でも命なくなりそうなどころを助かり、親父は喜ぶ、おっかさんもザンゲして真人間になったけどさ。三楷松の下で狐がこんこんこん。


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