24 ねずみ浄土(2)

 むかしあったけど。
 じさま、おにぎり、孔さ落してやって、それを拾いに入ったら、それ、ねずみの家で、そしてねずみの家で挽臼(するす)で金搗きしったど。
   百十になるまで
   猫の音聞きたくない
   ザクモク ザクモク
 じさま、手使って搗いて呉っで、そして駄賃にお金もらってきたど。そしてまた隣のばさまが、やっぱり出てきて、じさまがいうど、そのじさまが真似して、行ったって。そしてこんど搗いて助(す)けだども、
「これ、あるだけ持って帰られる」
 て、猫のまねして、ニャオーて言ってしまったど。そうすっど、
「さぁ、猫来たから、孔くけろ」
 て、みんな孔くけらっで、その中で、じさま死んでしまったど。むかしとーびん。
「集成 186 鼠浄土」
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