8 オッテンタカ鳥

 むかしあったけど。兄と弟の兄弟いであったど。弟は働き者ではぁ、一生懸命で働いて山さ行ったときなど、山藷掘ってきては、兄んにゃええどこ食せで、自分がナシクビの方ばり食ってであったど。そしてまたいつものより大きなな掘ってきたども、兄いながったずも。そん時、んだども、兄んにゃのどこさ大きな残しておくべやと思って、ええどこ残して、自分はナシクビの方食っていたど。そして兄どっからか帰ってきて、「残しったぜ」ていうたば、それ食ってはぁ、あまりうまいもんだから、
「おれさ、こんなええどこ残して食せるぐらいだら、自分がどんなうまいどこ食ったもんだ」
 て思って、殺したずもの。そして腹さいてみたば、ナシクビの悪どこばっかり食ってであったど。そうしたば、こんどはぁ、神さまに鳥にさっでしまったど。そして時鳥という鳥にさっではぁ、八千八声鳴かねば餌もらわんねことになったど。そして、
   弟恋しや オッテンタカ鳥
   弟恋しや オッテンタカ鳥
 て、口休める暇もないずもの。「オッテンタカ鳥、オッテンタカ鳥」て鳴かなねくて。そして八千八声鳴いたとき、木の枝さ蛙ひっからびたようなもの一つぐらい引っかかっていっことある。おらだ山さ行ぐど、それが時鳥の餌だなて、教えらっだもんだ。むかしとーびん。
「集成 46 時鳥と兄弟」
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