19 四十八枚の田

 むかしむかし、ある田舎の方に、とても数多く田あっどこあったって。段々畑みたいに段々の田で、一反歩四十八枚あった。
 昔は一反歩畝うのが一丁前であったので、ほこに奉公に行った者は四十八枚うなわんなねがった。はいつ畝わねど、一丁前の給料もらわんねがった。ほして前の人からの申し送りになっていで、そこさ田うない行ったときには、〈ミヌさワラジ結つけておかんなねぞはぁ〉ていうた。なしてと言うど、「暗くなっから」てよ。
 ほして、ある人が行って、一生けんめい、朝げから、せっせ、せっせとうなった。四十六枚うなったれば、田なくなったはぁ。やがては日もとっぷり暮れそうになってきた。
「へえ、四十八枚うなえて()っだ。あとどこにあんべ」
 て、なんぼ探してもない。
「探してもないから、()んかはぁなぁ」
 と思って、ミヌ着ったれば、ミヌの下に二枚あっけど。どんぴんからりん、すっからりん。
>>かみなが姫 目次へ