2 平将門

 むかしむかし、平将門ていう人いたけど。ほの平将門ていう人は非常に戦さ上手であって、自分自らも不死身であるということを豪語していた。
 ところが、藤原藤太秀郷が、
「不死身であっても、どこかに欠点があるのではないか。どこか弱点があるに相違ない」
 というわけで、自分おかかえの針師(針灸)の「キキョウ」という人に命じてその針を打って来いというわけで、密命をうけて、ほのキキョウが将門の屋形に入ったわけだ。どこにハリ打っても痛いて、一つ言わなかった。
 ところが、コメカミに針刺したら、「痛い、痛い」ていうた。
「ははぁ、弱点ていうのはコメカミだ、コメカミにあるんだ」
 ていうことを悟って、そして帰って来て、藤原藤太秀郷どさ報告するわけだ。ほして、戦さで、コメカミを射抜かれて将門が藤原藤太秀郷に打ちとられたわけだ。
 んだから、平将門のお墓周辺には、キキョウのためにやらっだからというわけで、キキョウていうのは植えておかねんだど。どんぴんからりん、すっからりん。
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