10 田の神団子

 いそがしいので、田の神団子上げていらんねくて、稲を上げて、荷背負いに行ったって。したらば、ピチャピチャ、ピチャピチャと後から足音がした。
「んが子、火さくべて呉(く)っだ」
 そう言わっであった。そうして見たどこが何もない。そして家さ帰って見たば子ども火さくばって火傷していたど。んだから何忘っでも、田の神団子だけは忘れんなよって教えらっだ。
(川崎みさを)
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