1 カッコー鳥

 あるところに親父とかかいて、かかが後妻で、そこに一人のカッコという子どもがいたそうだ。
 そしてかかが後妻なもんだはけて、親父がカッコばり心配していんなだけそうだ。そしてあるとき、親父が泊りから帰って来たらいねなだけ。
「カッコどさ行った、こら」
「カッコは山さ、おっつぁま夜上り遅いはげて迎え行ったんだ」
「んだか」
 て、ハンバキ、親父が上り場で脱いんだんだけそうだげんど、片方脱いで片方脱がねなだっけ。
「迎え行って来んなね」
 そして山さ行って、「カッコ、カッコ」て呼ばっけんど、カッコはいねていうんだな。「どこさ行ったべ」て、そしてどこまでも探ね歩いて行ったど。
(横尾高治)
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