30 お糸唐糸

 お糸と唐糸は継子の間であるげんども、仲のええ姉妹であったど。継母にお糸 が山さぶん投げられっどき、唐糸が、
「姉ちゃ、ケシの種子呉っでやっから、蒔いて行けよ」
 て、ケシの種子持って箱さ入 (はい) んのよな、その箱の穴あいたどっから、ずうっと ケシの種子落して行くのよ。そうすっど次の年、ケシの花咲いて、そいつ分かっ て、唐糸が辿り着くのよ。そして家さ帰んねで、奉公に出たど。そんで、親父が 探ねに来るど。親父は泣いて泣いて、眼が座頭のようになってしまったわけだ。
「お糸唐糸いたならば、この目はパッチリと開くべし」
 て、杖ついて探ねに行くとき、そうすっどお糸唐糸いたどこさ行き当てて、双 方から「親父だ」て、たぐさっど眼パッチリ開いたど。
 それから親と娘が一緒に暮したど。とーびんと。
(新沼・土屋ひろえ)
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