28 糠福・米福

 糠福は先妻の子で、米福は今の子だったど。そして栗拾いに行くじど、ハケゴ さげて行くじど、栗なんぼ拾っても溜まんねど。そして何してもその通りなもん だから、親父はそんとき何かで出ていていなかったど。そして沼のどこさ行くじ ど、死んだ母親が出はって来て、打出の小槌もらって行ったど。
 お祭りさ行くとき、米福が、
「姉さも行かねか」
 て言うど、
「風呂も炊かんなねし、御飯 (まま) も炊かんなね」
 て、後で着物を打出の小槌で出して、さて、祭りさ行ったら、殿さまに見込まっ で嫁に行ったど。
(大平・渡部もよ)
>>飯豊町昔話集 目次へ