27 糠福・米福

 米福は後家ダダの子、糠福は先妻の子であったど。その人も早くオカタなくし たもんだから、後家ダダは自分の子ばりめんごくて、
「栗拾いに行って来い」
 なて言わっで栗拾いに行くと、糠福どさボロハケゴの穴あいだのあずけて、自 分なさ新しいハケゴあずけて栗拾いに行って来いてだど。そうすっど栗拾って 来っど、こんど糠福の、穴あいっだから、なんぼ拾っても落ちて分かんない。米 福のいっぱいなって、背負って来たど。そうすっど、
「なえだごど、米福さえもこがえに拾って来たじだに、糠福、それっぱり拾って、 いまにお祭り来たたて、お祭りさやらんね。衣裳も買ってけらんねがらな」
 て言わっだごんだど。そうすっどお祭り来たって。そうしたば米福はええ衣裳 買ってもらって、糠福も町さ行きたいげんども行かんねなだど。そうすっど糠福 は町さも行かんねでボロ衣裳着せらっでいて、米福はええ衣裳着て、お菓子でも 何でも買ってもらって銭もらって行ったげんども、糠福ばっかりもらわんねど。
どーびんと。
(大平・嘉藤)
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