寝太郎(二)


 むかし、貧乏で餅搗かんねくていた家の寝太郎が、何とかして餅食 (く) たくて、隣 の家でいっぱい餅搗いたから、何とかして餅を食ってけましょうと思って、考え たど。
 誰も見てねうちに、窓から紅 (べに) を吹いたど。吹かっだ家では不思議に思って神お ろしに聞いだど。そしたれば、「その餅は食って悪いから、隣の家さ、みなやれ」 て云わっで、寝太郎がもらって食ったど。
(西高玉 原ひで)
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