オタタカ鳥

 むかし、あるどこさ、二人の兄弟あったど。その兄の方が意地わるくて、舎弟 の方は気持のええ人だったど。同じもの食せらっでも、兄の方は、舎弟の方さだ け母がうまいもの食せてるのんねがて、云うごど為 (な) すごど舎弟の方ばっかりめん ごがって、オレを虐待するて考えていたど。
 あるとき、兄が舎弟からニドイモ食せらっで、
「オレさ、こがえうまいもの食せだんだから、舎弟の方はなんぼうまいもの食っ てるんだか」
 て、舎弟の腹切ってみたど。そしたら舎弟の腹からはニドイモの皮ばっかり出 て来たど。
 はじめて、兄は悪かったと思って、一日に八千八声、
「弟恋し、弟恋し、オタタカ鳥」て鳴かんなねぐなったのが、オタタカ鳥だったど。
(貝生 工藤六兵衛)
>>蛇むこむかし 目次へ