132 殿さまの太鼓

 むかしむかし、殿さまが奥方迎えるその前にいろいろ練習すんなねがった。その練習すんなねがった。その練習の仕方は昔は何でも太鼓でやったもんだ。
「何々さま、おなり。ドンドン」
 て、三太夫が太鼓打つ。腰の使い方も太鼓でやった。ドンていうど一回使う。またドンていうど使う。ほして、こんどは殿さまもだんだん我慢さんねくなって、
「これ、三太夫、早く打て」
 て、こういう風になっど、はじめて合格だったど。どんぴんからりん、すっからりん。
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