5 瓢箪物語

 ソーレ物語、語り候。語ればもっての物語。鎌倉景勝寺の廊下の隅に瓢箪一匹下りければ、その瓢箪の願いことは、それ、南蛮が食いたい、山椒が食いたい、あそご、こごのおば様や姉様のふところに、カサリン、コソリン、カサコソリンと、入りたいとの願いなれば、なんと瓢箪の分際としては桐の液を炙れば、大きな根を出す、ヒョヒョトモトモ、エンポスンポ、エイヒキチャヒキ、一個の茶として小金語り語って候、物語。

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