12 蟹釣物語

 ソーレ物語、語り候。語ればもっての物語。下の町くぐり外(はず)れのどて浜、蟹釣長太郎さんちょうばこ舟コでのり出したんの物語り。
 娘にやっこらさっと担がせてもって行けば、どんな蟹でも七文だのんす。負げで呉ろちゃ長太郎さん、どうして負げられよか、命かんながらで釣った蟹、でさ行けば三文だんよ、汝(にし)もねば、やっこらせと担いで、どんな蟹コだて八文だんの物語。

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