東北文教大学    
   
 2020年度 シラバス 短期大学部 総合文化学科

コミュニケーション演習

開講年次:1・2年次
卒業:選必  上級ビジ:選択
開講時期:後期 授業形態:講義・演習 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
澤   恩 嬉

■ 科目のねらい
 コア科目の領域におけるこの科目は、特に言語やコミュニケーションの分野において、学生が学問の方法を身につけ歴史と文化を踏まえて人間や社会の出来事を総合的に理解し説明できるようになることをねらいとし、また、卒業研究のゼミに関連するものとして「ことばとコミュニケーション」系統の科目群に配置している。
■ 授業の概要
私たちが日頃やりとりしている会話にはどのような仕組みとはたらきがあるでしょうか。私たちは、家族や友達、初対面
の人など、いろいろな相手に、様々な場面でことばによる、あるいは、ことばを使わずに、コミュニケーションを行って
います。時には無意識に、時には相手や場面を強く意識しながら、自分の考えや気持ちを伝えています。
 この授業では、会話分析という手法を用いて、何気なく送っているこのような日々の言語生活を見つめ直し、体系的に
考えることで、言語意識を高めます。
■ 達成目標・到達目標
@会話分析の基礎を理解し、データをもとに分析した結果をレポートの形で記述できる。
A身のまわりの様々な言語行動が何に基づいているか、自ら考え、話し合うことができる。
B日頃の自分の言語生活を、理論に基づいて体系的に説明することができる。
■ 単位認定の要件
達成目標@〜Bのことが60%以上できていること。
■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート:40% 授業内提出物:30% 授業内活動:30%
■ 授業計画

第1回  ガイダンスと導入(挨拶@)
  シラバスに沿って授業内容を確認し、導入として「挨拶」を取り上げます。

第2回  挨拶A
  前回の授業で行った「挨拶」の会話を分析し、挨拶のバリエーションについて話し合います。

第3回  挨拶B
  挨拶のバリエーションから、挨拶のルールや文化差、挨拶の機能について考えます。

第4回  発話行為
  ある状況の中で話し手がどのような意味でその発話を行ったのかに焦点をあて、会話を分析します。

第5回  会話の含意
  会話を成り立たせるために、相手に分かるように伝えることがどういうことなのかについて学びます。

第6回  間接発話行為と発話意図
  日常のコミュニケーションにおいて、自分の言いたいことをそのまま表現せずに間接的に表す例を取り上げ、その発話意図について考えます。

第7回  ポライトネス@
  ポライトネス理論について学び、人がものを言う時、言い方を決める要因は何かについて考えます。

第8回  ポライトネスA
  ポライトネスと敬語の関係を学び、実際の会話例を分析しながら、「丁寧さ」とは何かについて考えます。

第9回  ポライトネス・ストラテジー
  実際の会話に現れる、様々なポライトネス・ストラテジーを取り上げ、考察します。

第10回  異文化間コミュニケーション
  異なる言語間、文化間のコミュニケーションにおいて、何か起きているかに気づき、分かりやすく伝えるためにはどのような工夫が必要かについて考えます。

第11回  データ収集
  分析のもととなる談話を収集します。グループに分かれ、活動します。

第12回  データ分析1
  収集されたデータを、グループで分類し、分析します。

第13回  データ分析2
  発表に向けてが、分析した結果をパワーポイントでまとめます。

第14回  グループ発表
  グループごとに分析した結果を発表します。

第15回  ふりかえりとまとめ
  授業を振り返りながら,全体のまとめを行います。


■ 時間外学修
毎回の授業内容を振り返り、A4で1枚くらいに要点をまとめておくこと(毎回1時間)。このほか、授業で出された小レポートに取り組むこと(毎回1時間)。グループ作業はすべて授業内で行うことは困難なため、授業外でも作業時間を必要とする(毎回1時間)。最終レポートはグループ発表した内容を学んだ理論に基づいてさらに分析を深めてまとめるので、準備には2時間程度を見込んでおくこと。
■ 課題に対するフィードバック
小レポートについては個別にコメントを記入してフィードバックします。
■ 使用テキスト・教材
毎回プリントを配布します。授業で配布されたプリントは各自しっかり管理してください。
■ 参考文献等
『プラグマティクス・ワークショップ:身のまわりの言葉を語用論的に見る』田中典子、春風社
■ 備考
■ 連絡先
澤恩嬉(e_sawa[at]g-tbunkyo.jp)