東北文教大学    
   
 2020年度 シラバス 短期大学部 総合文化学科

人間関係論

開講年次:1・2年次
卒業:選択  情報処理:選択  医療管理:必修  ピアヘル:選択
開講時期:前期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
伊 藤 朋 子

■ 科目のねらい
 共通科目領域におけるこの科目は、実務遂行能力を身につけ、知識や技術をもとにコミュニケーション能力とともに教
養を深めるため、「教養」群に設置されている。
■ 授業の概要
 ビジネス場面における人間関係のさまざまな問題を学ぶ前提として、集団の理解・自己と他者の理解・コミュニケーシ
ョンの理解といった人間関係の基礎概念を習得することを目的とする。臨床心理学・社会心理学等をベースに人間関係の
基礎概念を概説するとともにビジネス場面における具体的な人間関係の諸問題(クレーム問題、ハラスメント問題、言っ
た言わない問題やデマや噂などの情報混乱など)にも触れ、その対処方法を学ぶために各自の性格特性やストレス対処方
略等を演習を通して把握することを試みる。
■ 達成目標・到達目標
@集団の理解・自己と他者の理解・コミュニケーションの理解の基礎概念が把握できるようになる。
A人間関係のトラブルに対処することの基本的枠組みを身につける。
B各自の性格特性やストレス対処方略を把握し、それに合わせた行動様式を考えることができるようになる。
■ 単位認定の要件
@〜Bの項目すべてにおいて60%以上理解すること。
■ 単位の認定方法及び割合
期末試験:40% 授業内提出物:30% 授業内活動:30%
■ 授業計画

第1回  (遠隔授業) オリエンテーション〜人間関係論とは何か〜
  他者との関わりの中でのコミュニケーションの重要性を理解し、援助的関係、対人関係の障害、信頼関係の
形成など、自他の理解に向けて学習していくうえでの受講の心構えを説く。

第2回  (遠隔授業) 非言語的コミュニケーション
  人・人間・人間関係とは,心理学の種類,心理学の種類について扱う。非言語的コミュニケーションの重要性、お
よび非言語的コミュニケーションの種類について学び、パーソナル・スペースなどに関する実験の概要を理解する。

第3回  (遠隔授業) 異文化コミュニケーション(1)
  非言語的コミュニケーションの重要性、および非言語的コミュニケーションの種類,異文化コミュニケーションについて扱う。
文化が異なると、コミュニケーションの取り方が自分とは異なることを知り、ワークを通してそのことを体験する。

第4回  (遠隔授業) 異文化コミュニケーション(2)
  異文化コミュニケーションについて学ぶことによって、異文化出身の人たちと接する際に円滑なコミュニケ
ーションをとれるようにする。

第5回  (遠隔授業) 異文化コミュニケーション(3)
  時間の感覚などのトピックについてディスカッションを行う。また,価値観の違いについて理解を深める。

第6回  アサーショントレーニング
  コミュニケーションの基本の一つである「アサーション」について、その効果的使用方法や背景について講義する。
DESC法について学び、ワークを通して「自分も相手も大切にした自己表現」を行えるようにする。

第7回  対人魅力(1)
  心理学的観点から、他者に対する魅力や好意が形成される条件を理解し、人に説明できるようになる。

第8回  対人魅力(2)
  対人魅力に関するワークを通して、人間関係を説明する様々な理論を人に説明できるようになる。

第9回  エゴグラム(1)
  人間関係は自分と他人の相互作用であることから、他者の理解と同程度に自己理解が重要であることを概説
する。「エコグラム」体験を通して自己理解の練習をする。

第10回  エゴグラム(2)
  「エコグラム」体験をもとに交流分析のワークを行うことによって、3つの交流パターンを人に説明できる
ようになる。

第11回  非合理的な思い込み
  論理情動療法について学び、非合理的な思い込みを変えていくことで心の問題を改善する方法を知る。

第12回  ケア
  ケア倫理の発達について学び、自己と他者に対する思いやりがどのように発達していくのかを人に説明でき
るようになる。

第13回  投影法(1)
  様々な投影法について学び、対象者が意識していないパーソナリティの側面を見出す方法を人に説明できる
ようになる。

第14回  投影法(2)
  投影法のワークを実施し、その結果を分析することによって、将来の自己像を考える。

第15回  まとめとふりかえり
  人間関係への基本態度をふりかえり、「過去の自分・未来の自分ワーク」を行うこと
で総括する。


■ 時間外学修
授業プリントを熟読し、ノートを使って内容を整理し、他者と討論したり技法の練習をしておくこと。(目安時間:毎回
約4時間)
■ 課題に対するフィードバック
授業ごとに提出させる小レポートについては、後の授業回にて解説を行う。
■ 使用テキスト・教材
授業中に教材プリントを配布。
■ 参考文献等
「心理学入門コース(5)社会と人間関係の心理学」松野豊・上瀬由美子著、岩波書店
■ 備考
グループワークも実施するため、積極的に参加すること。
■ 連絡先