東北文教大学    
   
 2020年度 シラバス 短期大学部 総合文化学科

情報倫理と知的財産

開講年次:1年次
卒業:必修  D A:必修  上級ビジ:選択
開講時期:前期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
依 田   平

■ 科目のねらい
 基礎必修科目領域におけるこの科目は、汎用的能力・社会人としての基礎的能力を身につけるため、「メディア・リテラシー」枠に設置されている。
■ 授業の概要
 この科目では、実際におこった事件や事故を例に挙げながら、インターネットが関わって生じるプライバシーや著作権
の問題、セキリュティの仕組みなどについて学びます。この学びを通して、自己を理解し他者の考えや立場も尊重しなが
ら主体的に行動する力を養います。
 講義形式の授業で、グループワークは基本的に実施しません。また、毎回の授業で授業内容に関するコメントの記入を
宿題として課します。
■ 達成目標・到達目標
@知的財産について理解し、著作権を侵害しない振る舞いができる。
A肖像権やプライバシーと表現の自由について理解し、より適切な写真の撮影や公開ができるようになる。
Bインターネット上でのモラルについて、自分で考え、自分の言葉で説明できるようになる。
Cインターネット上でのマナーやモラルを理解し、実践できるようになる。
Dインターネット端末のセキュリティ対策を知り、実践できる。
■ 単位認定の要件
上記@からDまでを総合して60%以上できていること。
■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート:50% 授業内提出物:50%
■ 授業計画

第1回  (遠隔)ガイダンスとメールマナー
  授業の概要を説明する。
また、メールマナーについて学び、本学が配布したメールアドレスからメールマナーに則ったメールの送信を行う。

第2回  (遠隔)メールマナーと情報・社会・倫理
  メールマナーについて再確認する。また、情報・社会・倫理について学ぶ。


第3回  (遠隔)モラル・マナー・ルール
  功利主義や危害の原理、自由主義などを通して、倫理の限界を確認するとともに、モラル・マナー・ルールの違いについて学ぶ。

第4回  (遠隔)モラル・マナー・ルールとパスワード管理
  モラル・マナー・ルールの関係について改めて確認する。
また、より適切なパスワード管理方法について学ぶ。

第5回  (遠隔)多様性とセキュリティ
  正義や善へのこだわりへの危険性などを通して多様性の重要さを確認する。
また、不正アクセスやマルウェアなどのセキュリティに関することを学ぶ。

第6回  メールの送信
  メールに利用についてのトラブルについて確認し、より適切なメールの送信方法について学ぶ。


第7回  メールのトラブルと知的財産
  メールのトラブルについて復習する。
また、知的財産とは何かを理解し、知的財産権について学ぶ。


第8回  商標と著作物
  商標とは何かを学ぶとともに商標権について理解する。
また、著作物性の判断の考え方から著作物とは何かを学び、著作物の種類について理解する。

第9回  著作権
  著作権法の目的を知るとともに、著作者人格権、著作権(財産権)、著作隣接権などの著作権について学ぶ。

第10回  著作権と著作物の利用
  著作権の保護期間や他者の著作物の利用などを通して、著作権法の目的に適う著作物の利用方法について考える。

第11回  著作物の利用とパクリ
  教育機関における著作物の利用について学ぶ。
また、安易にパクリと叫ぶことの怖さについて考える。


第12回  パクリと著作権侵害
  パクリについてさらに考えるとともに、スクショなどの題材にして著作権侵害について学ぶ。

第13回  著作権と肖像権
  著作物の利用について、フェアユースという考えたを学ぶ。
また、肖像権(プライバシー権とパブリシティ権)についても学ぶ。

第14回  肖像権・表現の自由と個人情報
  肖像権と表現の自由について、両者の権利の衝突について考える。
また、個人情報保護法を通して、個人情報についても学ぶ。

第15回  個人情報・炎上と情報社会での倫理
  個人情報とポイントカードの関係について学ぶ。
炎上になった事例をもとに、ソーシャルメディア上における情報発信のマナーを確認する。
また、授業全体のまとめを行う。


■ 時間外学修
・授業内容に関するコメントペーパーを記入すること(目安時間:毎週約1時間)
・新聞やテレビ、インターネットなどで報じられる、インターネットに関するニュースに接し、気になったキーワードなどをメモしておくこと(目安時間:毎週約2時間)。
・携帯電話やパソコンなどの情報端末の日々の使い方を見直すこと(目安時間:必要に応じて随時)。
・期末レポートの作成に取り組むこと(目安時間:約15時間)
■ 課題に対するフィードバック
授業内で全体に対して説明する。
■ 使用テキスト・教材
授業中にプリントを配布し、それをもとに授業を行う。
■ 参考文献等
・橋慈子ほか,『情報倫理 ネット時代のソーシャル・リテラシー』,技術評論社,2014
・小泉直樹,『知的財産法入門 (岩波新書)』,岩波書店,2010
・福井健策,『18歳の著作権入門 (ちくまプリマー新書) 』,筑摩書房 ,2015
・木村草太,『キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書)』,講談社,2012
■ 備考
■ 連絡先
yoda(at)g−tbunkyo.jp