東北文教大学    
   
 2020年度 シラバス 短期大学部 子ども学科

保育内容総論U

開講年次:1年次
卒業:選択  保育士:選必  幼稚園:必修
開講時期:後期 授業形態:演習 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:1 単位
奥 山 優 佳(実務経験あり)

■ 科目のねらい
この科目は、専門科目の「保育の内容と方法」の区分に対置されている。特に5領域を理解して保育を総合的に計画・実践するための科目であり(CP)(DP)、幼稚園教育要領や保育所保育指針等を通して、保育の目標や子どもの発達・子どもの発達的特性と関連づけて保育内容を理解することをねらいとします。
■ 授業の概要
幼児期の教育は、環境を通して、遊びを通しての総合的な指導であることについて、授業者の幼稚園教諭として、また担任として実践した事例を取りあげたり、実際に幼児の観察等を行ったことの記録を基に幼児の姿を捉えたねらいや内容を考えたり、教材を作ったり、模擬保育やその評価と改善についてグループワークを行ったりしながら学んでいきます。
■ 達成目標・到達目標
@保育記録やその再考察を行うことを通して幼児理解を深め、指導計画作成の際のカギにあることを説明できる。。
A具体的な幼児の姿から指導計画作成のためのポイントを説明することができる。
B幼児の実情に沿って、人や物とのかかわりを深める視点から教材を創作したり工夫したりして作成できる。
C幼児期の教育が環境を通して、遊びを通しての総合的な指導であることを具体的事例をあげながら説明できる。
■ 単位認定の要件
達成目標・到達目標の@Aについての理解度は80%以上、BCについての理解度は70%以上、DEについての理解度は60%以上であること。
■ 単位の認定方法及び割合
授業内提出物:30% 授業内試験:50% 授業内活動:20%
■ 授業計画

第1回  ガイダンス 保育記録の意義
  シラバスを基に、本授業のねらいや計画・内容・方法などについて把握する。
実践記録や、学生自身の観察記録などを基にしながら、保育記録の意義についてグループワークを通して学ぶ。

第2回  保育記録による幼児理解
  観察記録などを基にしながら、注目した子どもやそのクラス集団のよさや可能性についてグループワークも行いながら幼児理解について具体的に学ぶ。

第3回  幼児の姿と保育のねらい
  幼児の具体的な様子を起点に、グループワークによって幼児の気持ちや育ちを多様に推察し、そこから保育のねらいを考えることが重要であることを学ぶ。

第4回  指導計画と教材研究
  具体的な幼児の姿から導いたねらいにそった具体的な活動内容とそのための教材研究の重要性について学ぶ。

第5回  指導計画の立案 
  具体的な幼児の姿と教育課程とを突き合わせながら指導計画を作成する重要性と、指導計画立案の際の留意について学ぶ。

第6回  指導計画に基づく模擬保育と改善
  作成した指導案(部分案)に従って模擬保育を行い、振り返りによって改善点を見出す重要性を学ぶ。

第7回  指導計画に基づく保育実践の評価
  指導案(部分案)のねらいに沿いながら、教育実習T第2期で実践したことを基にしてグループワークを通して振り返る。

第8回  評価の実際(幼児理解について)
  指導案(部分案)のねらいに沿いながら、教育実習T第2期で実践したことを基に、配属組同士のグループワークによって子どもの姿を5つの領域から捉える。

第9回  評価の実際(援助やかかわりについて)
  指導案(部分案)のねらいに沿いながら、教育実習T第2期で実践して幼児理解を行ったことを基に、自分自身の関わり方はどうであったのかについてパーソナルワークやグループワークを通して振り返る。

第10回  評価の実際(発達の過程について)
  教育実習T第2期の振り返りを通して、配属クラスの幼児の育ち(発達の過程)を5領域を窓口に考える。

第11回  評価を活かした改善
  評価を活かして、自身の課題について深く掘り下げて考え、改善のための策を考える。

第12回  改善を活かした計画案
  改善点を活かし、新たな指導計画を作成する。

第13回  計画に基づいた実践(模擬保育)
  改善を活かした指導計画案に則った模擬保育を行い、振り返りを行い更なる課題や改善点を見出す。

第14回  幼児教育と小学校教育との接続とは
  幼児期と学童期の発達の連続性に注目しながら、5つの領域を窓口にした幼児教育と小学校教育との接続について考える。

第15回  まとめ
  学習した要点をまとめたり、疑問点を整理したりなどしながら、幼児期の教育のねらいが総合的に実現するような遊びや生活における適切な指導とはどのようなことなのかについて考える。。


■ 時間外学修
毎回の授業内容を把握しておくことを前提に講義をすすめるので、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領やその解説書、テキストや配布した資料に目を通して授業に臨むこと。
(毎回1時間程度)
■ 課題に対するフィードバック
授業中に実施する小テストや授業内提出物については、後の授業回にて解説を行う。
■ 使用テキスト・教材
大桃伸一・佐東治・奥山優佳編著『幼児教育の探究』東北文教大学出版会
学科指定教本(履修の手引き参照)
■ 参考文献等
文部科学省『幼稚園教育指導資料第1集 指導計画の作成と保育の展開 平成25年7月改訂』フレーベル館
文部科学省『幼稚園教育指導資料第3集 幼児理解と評価 平成22年7月改訂』ぎょうせい
金澤妙子、佐伯一弥編『演習 保育内容総論』建帛社
■ 備考
・使用テキストの他に随時プリントを配付するので、専用のファイルを準備すること。
■ 連絡先
y_okuyama(at)g-tbunkyo.jp