東北文教大学    
   
 2020年度 シラバス 短期大学部 子ども学科

発達心理学

開講年次:1年次
卒業:選択  保育士:必修  幼稚園:必修
開講時期:前期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
中 俣 友 子

■ 科目のねらい
 この科目は、専門科目の「保育の対象と理解」に配置された科目の一つである。多角的視野と総合的視野に裏付けされた思考と判断を持って保育が実践できる保育者を養成するための科目であり(CP)、保育・教育の本質を理解すること(DP)をねらいとしている。特に、乳幼児を中心に、発達に関する知識を身につけることがねらいである。
■ 授業の概要
 授業のねらいは、保育者を目指す学生が発達心理学を学ぶ意味を把握すること、受精から死までの生涯的なスパンで発達を捉える視点を身につけること、さらに、発達初期の経験の重要性や、胎児期から老人期までの各時期に顕著にみられる発達の特徴を学ぶことである。
 授業各回では、心のさまざまな側面に1つずつ焦点を当てる。具体的には、運動機能、対人関係、自己、情緒、認知、言葉の発達について取り上げて学ぶ。
■ 達成目標・到達目標
@保育実践に関わる発達理論等の心理学的知識を踏まえ、発達を捉える視点について述べることができる。
A子どもの発達に関わる心理学の基礎を習得し、養護及び教育の一体性や発達に即した援助の基本となる子どもへの理解を深め、説明することができる。
B乳幼児期の子どもの学びの過程や特性について基礎的な知識を習得し、保育における人との相互的関わりや体験、環境の意義を述べることができる。
■ 単位認定の要件
@〜Bの項目すべてについて、60%以上理解すること。
■ 単位の認定方法及び割合
授業内提出物:30% 授業内試験:50% 授業内活動:20%
■ 授業計画

第1回  心理学と発達心理学
  心理学,発達心理学の特徴を学び,発達的な考え方を学ぶ意義を理解する。
資料を読み、まとめ、ミニ課題を行う。【遠隔授業】

第2回  運動能力の発達@
  身体の発達,および運動能力(粗大運動・微細運動)の特徴を理解する。
資料を読み、まとめ、ミニ課題を行う。【遠隔授業】

第3回  運動能力の発達A
  身歩行開始後の発達的変化を中心に,身体の発達,および運動能力の特徴を学ぶ。
資料を読み、まとめ、ミニ課題を行う。【遠隔授業】

第4回  社会性の発達@
  対人関係の中から発達する愛着感情を理解する。また,これらの発達を支える大人の役割を学ぶ。
資料を読み、まとめ、ミニ課題を行う。【遠隔授業】

第5回  社会性の発達A
  友人関係・道徳性の発達を理解する。また,これらの発達を支える大人の役割を学ぶ。
資料を読み、まとめ、ミニ課題を行う。【遠隔授業】

第6回  社会性の発達B
  第1〜3回の授業の復習、及び発展課題を行う。
遊びの発達,および仲間関係の特徴を理解する。また,これらの発達を支える大人の役割を学ぶ。

第7回  自己の発達@
  第4〜5回の授業の復習、及び発展課題を行う。
乳幼児期の自己や反抗期について理解する。

第8回  自己の発達A
  自己制御や自己評価の発達について理解する。

第9回  情緒の発達
  一次的・二次的感情や、他者の情緒理解、社会的参照について理解する。

第10回  認知能力の発達@
  三項関係や心の理論を中心に乳幼児期の認知能力の特徴を理解する。

第11回  認知能力の発達A
  自己中心性の発達を中心に乳幼児期の認知能力の特徴を理解する。

第12回  認知能力の発達B
  記憶や描画発達を中心に乳幼児期の認知能力の特徴を理解する。

第13回  言葉の発達@
  叫喚から多語文発話まで,有意味言語を話すまでを中心に乳幼児の言語発達を理解する。

第14回  言葉の発達A
  話し言葉や読み書き言葉の発達の特徴を理解する。

第15回  総復習
  授業内試験を行う。


■ 時間外学修
・前回の授業ノートや資料を熟読し、他者に説明できるようにしておく(目安時間:各回約2時間)。
・次回授業を行う内容について調べ、不明な点などをノートにまとめる(目安時間:各回約2時間)。
■ 課題に対するフィードバック
回収したレポートについては、返却時に全体に対する講評を行う予定である。
■ 使用テキスト・教材
適宜資料を配布する。
■ 参考文献等
岡本依子・菅野幸恵・塚田-城みちる著『エピソードで学ぶ 乳幼児の発達心理学』(新曜社)
■ 備考
ノート及びA4ファイルを各自用意しておくこと。
■ 連絡先
t_nakamata(at)g-tbunkyo.jp