東北文教大学    
   
 2020年度 シラバス 短期大学部 人間福祉学科

認知症の理解

開講年次:1年次
卒業:選必  介護福祉:必修
開講時期:前期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
橋 本 美 香(実務経験あり)

■ 科目のねらい
この科目は,人間福祉学科のディプロマ・ポリシーである「人間福祉学科が学修の成果として求める、知識・技能・態度(人間性)を身につけ、地域、社会で実践することができる人材育成」を目標に設置されたカリキュラム・ポリシー「介護実践に必要な,人間の成長と発達ならびに障がいの医学的側面に関するこころとからだのしくみを理解する」ための科目であり,介護福祉士必修科目である。増大している認知症の人に対する心理的社会的なケアについての基礎的な知識を養うことをねらいとしている。
■ 授業の概要
 認知症に関する医学的な基礎知識を習得し、認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活への影響を理解する。
認知症のある人の体験や意思表示が困難な人の特性と心理を学修し、「認知症のある人」の生活支援及び家族支援について理解する。
認知症高齢者のQOLの向上にむけ、日常生活・社会生活に適応するための生活環境のととのえ方について、授業者の医療機関や高齢者福祉施設での看護師としての実務経験を提示しながら、具体事例を通した理解となるよう授業展開する。
■ 達成目標・到達目標
@認知症に伴うこころとからだの変化について説明できる。
A認知症がある人と家族への支援について具体的に述べることができる。
B認知症がある人への非薬物療法についてアセスメントしケアを実践できる。
C認知症がある人に対する人権侵害と、尊厳を支える地域のサポート体制について自分の考えを表現することができる。
■ 単位認定の要件
@〜Cの合計で60点以上の点数を獲得すること。
■ 単位の認定方法及び割合
授業内試験:80% 授業内活動:20%
■ 授業計画

第1回  認知症を取り巻く状況
  認知症の出現率、将来推計、認知症の定義について理解する。(遠隔授業)

第2回  認知症ケアの歴史、認知症ケアの理念
  認知症介護の歴史、認知症施策と今後認知症高齢者に対する行政の方針について理解する。(遠隔授業)

第3回  医学的側面から見た認知症の基礎
  脳のしくみと機能、神経細胞、脳の障害と認知症について理解する。(遠隔授業)

第4回  認知症の人の心理
  認知症の人の不安、思い、認知的共感の視点について理解する。(遠隔授業)

第5回  認知症の症状
  認知症の中核症状について理解する。(遠隔授業)

第6回  認知症の症状
  認知症の心理・行動症状について理解する。

第7回  認知症の診断
  長谷川式認知症スケール、MMSE、FAST、画像診断などの認知症の診断基準と評価 スクーリングのための認知症スケール病院で行われる検査について理解する。

第8回  認知症の原因となる主な疾患
  認知症をきたす原因疾患の概要アルツハイマー型認知症の原因、症状の特徴、脳血管性認知症の原因、症状の特徴若年性認知症の生活への影響について理解する。

第9回  認知症と鑑別するべき認知機能低下を引き起こす主な疾患と治療 
  正常圧水頭症,慢性硬膜下血腫等認知症と鑑別するべき認知機能低下を引き起こす主な疾患について理解する。

第10回  認知症の薬物療法と非薬物療法 
  認知症の薬物療法、リハビリテーション、非薬物療法について理解する。

第11回  認知症の予防 
  認知症の予防のための生活生活環境と生活の維持について理解する。

第12回  認知症の症状や行動への対応
  認知症の人の中核症状(記憶障害・見当識障害・失認・失語等)への対応について認知症の人の行動・心理症状(徘徊・暴言・不潔行為等)への対応について理解する。理解する。

第13回  認知症の人の生活の理解
  認知機能の変化が生活に及ぼす影響について理解する。認知症の人の環境、家族支援、人的物的関わりについて理解する。

第14回  認知症の人の介護過程
  認知症の人の終末期ケア・認知症の介護過程について理解する。

第15回  認知症の理解のまとめ
  授業内試験の実施と解説


■ 時間外学修
毎回の授業後はプリントやノートを使って復習し理解をしておくとともに、疑問が残った点は、次回、教師に質問できるようにしておくこと(目安時間 : 各3時間)。授業の予習として、認知症のある人が書いた手記などを読み、認知症の人の気持ちについて共感したことを述べられるようにしておくこと(目安時間 : 各1時間)。
■ 課題に対するフィードバック
@授業中に実施する確認テストについては、授業内で解説を行う。
A質問には随時解説を加え対応する。
B回収した課題については、返却時に簡単な添削を行う。
■ 使用テキスト・教材
最新・介護福祉士養成講座第13巻『認知症の理解』 (中央法規)
■ 参考文献等
クリスティーン・ブライデン著:私は誰になっていくの、クリエイツかもがわ、2003.
宮崎和加子著 : 認知症の人の歴史を学びませんか、中央法規、2011.
藤川幸之助ほか、満月の夜、母を施設において、中央法規、2008.
■ 備考
○配布資料は毎回持参すること(繰り返し使用します)
○ゲストスピーカー予定
■ 連絡先
橋本美香 m_hashimoto(at)t-bunkyo.ac.jp