東北文教大学    
   
 2020年度 シラバス 短期大学部 人間福祉学科

人間の理解

開講年次:1年次
卒業:必修  介護福祉:必修
開講時期:後期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
下 村 美 保

■ 科目のねらい
本科目は、介護福祉専門領域のキャリア教育に基づく科目を配置してる「介護福祉専門教育科目」の領域の科目であり「人間と社会」に位置づけられています。「人間と社会」では、主に介護を必要とする人に対する全人的な理解や尊厳の保持、社会福祉に関する科目を配置しています。本科目では、人権と尊厳を念頭に置いて自立支援を行うことができるようになることを目指します。
■ 授業の概要
・尊厳に関連するDVD鑑賞や制度を通して尊厳についての理解を目指します。
・社会福祉の援助を必要とする者について多面的に理解することを目指します。
・その人らしい暮らしを支える大切さを理解し、一人ひとりに寄り添う介護の専門性について学びます。
・介護を受ける者の人権と尊厳について学び、権利擁護との関連について理解できることを目指します。
・ノーマライゼーションや自立生活運動などの歴史的展開について説明し、現代の自立支援の考え方について学びます。
■ 達成目標・到達目標
@人間を理解することにより、自身を理解し、対人援助における自己覚知の重要性について説明できるようになる。
A自己実現を支える介護について理解し、介護の専門性について述べることができる。
B尊厳と人権、自立について理解し、他者に説明できるようになる。
C尊厳と人権を常に念頭においた、自立支援の重要性について理解し、対人援助職のあり方について考察し述べる
ことができる。
■ 単位認定の要件
@〜Cの合計で6割以上の点数を獲得すること。
■ 単位の認定方法及び割合
授業内提出物:40% 授業内試験:50% 授業内活動:10%
■ 授業計画

第1回  オリエンテーション、人間の尊厳について@
  授業の概要説明と、尊厳の言葉の意味や尊厳ある生活を支援することとはどういうことか問いかけ考察していく。

第2回  人間の尊厳についてA
  DVD鑑賞「マザー・テレサ」を通して人間の尊厳について理解を深める。

第3回  人間の多面的理解
  介護福祉実践に求められる、福祉的援助の必要な者についての人間理解、その人らしく生きるということについての理解、利用者と家族についての理解、また、個別化することの大切さについての理解を深める。

第4回  「個人の尊厳」と「基本的人権」
  世界人権宣言における「基本的人権」にかんする条文を取り上げるとともに、日本国憲法における基本的人権への主な条項についても取り上げ、対人援助の理念と法律との関連について説明する。

第5回  人権の尊重
  実習場面等での具体的事例を通し、個人を尊重することについて考察し理解する。
利用者主体の考え方・実現に向けて
QOL(生命・生活・人生の質)の考え方

第6回  権利擁護・アドボカシー
  判断能力が衰えたり、知的障害のある人への権利擁護の仕組みや援助方法について説明する。

第7回  自己覚知と対人援助
  援助する者として自己覚知の重要性を理解するために、ライフヒストリーを作成し自己についての理解を深める。

第8回  自己覚知と対人援助
  対人援助職の他者のライフヒストリーを読んで自分を見つめ直すとともに、対人援助を行う者にとっての自己覚知の重要性を改めて認識できるようにする。

第9回  福祉と倫理
  介護場面における倫理的課題と尊厳の保持についての関係性を説明する。また、職業倫理の必要性について理解を促す。

第10回  ノーマライゼーションと介護
  ノーマライゼーションの歴史的展開を理解し、現代社会でのノーマライゼーションの理念を基盤とした自立生活の支援のあり方について説明する。

第11回  障害者の自立支援
  社会福祉基礎構造改革以降の流れや障害者に関する法律について説明し、障害者福祉サービスの基本理念について理解する。ICFと自立・自律支援、尊厳についても理解する

第12回  要介護者の身体的・精神的・社会的自立支援
  国際的な障害者を取り巻く動向(運動や制度)を説明し、要介護者の自立した生活のための支援のあり方について考察する。(IL運動、ソーシャルインクルージョン)

第13回  要介護者の身体的・精神的・社会的自立支援
  ICFと自立・自律支援や尊厳を理解したうえで、介護の実践と結び付けて考えられるようにする。

第14回  尊厳の保持、自立支援、自己実現を目指した介護の実際
  介護現場において、自己実現を目指した介護とはどのようなものかを事例を基に考察する。

第15回  まとめ
  尊厳、人権、自己実現、自立・自律支援の捉え方について授業での理解を基に、対人援助職としてのあり方について説明できるようにする。


■ 時間外学修
専門用語についてノートに整理しておくこと。
前回の講義資料を熟読し、理解したことを整理し、他者に説明できるようにしておくこと。(目安時間:約4時間)
■ 課題に対するフィードバック
課題については確認を行い、授業で活用し補足を行う。

授業内試験については、実施後に解説を行う。
授業内課題については、回収・確認後に全体に講評・解説を行う。
■ 使用テキスト・教材
『人間の理解』(メチ゛カルフレンド社)
■ 参考文献等
■ 備考
■ 連絡先
m_shimomura(at)t-bunkyo.ac.jp