12 藁しべ長者

 長者さまの下男になってた、仕えていたときに、「お前、家でいらねぐなったか ら、旅さ出てもええぞ」て言わっで、その時藁一本もらって出たわけだ。そうすっ ど途中さ行ったば、牛ひいた人が来て、
「この牛が大変腹へってっから、ワラ一本売ってくんねが」
 て言わっで、藁を売ってお金をもらったんだど。そしてまた行くうちに反物屋 と会って、「反物買ってくろ」て言わっで、そのお金で反物一反買ったわけだ。そ してずうっと行くうちにだんだん金持になって、藁一本で長者さまになった。
(関場)
>>米沢市田沢の昔話と伝説  付 米沢市田沢の昔話と伝説 目次へ